パンデミック

3月17日からフランスは正式に外出禁止令が出され、国境閉鎖、買い出しや少しの運動以外自宅待機。マクロン大統領は「我々は(ウイルスとの)戦時下にある」とテレビで演説した。最初は外出証明書無しでの外出に38€の罰金。勿論そう簡単に言う事を聞かない仏人、次の日から135€に値上げ。そして現在200€にアップ、常習犯は400€だそう。

 

私の旦那さんミラクルさんも週一、二日の一日置きの勤務だったのが、今週から会社閉鎖でず〜っと休み。私達は旅行大好きだけど、インドアでも結構楽しく過ごせるタイプ。幽閉生活から三週間目だけど、ケンカも無く仲良くやってます。夫婦仲の悪いカップルには幽閉生活悪夢かも。

Netflixでジブリ映画を古い順から観て、萌えたり、泣いたり、笑ったり。子供の気持ちや仕草をよく分かってるな〜。だから宮崎駿作品が世界で愛されるわけだね、うんうん、と一人勝手に納得中。

 

足りない物など普段から前もって買っておくので、こういう非常事態でもそんなに焦らず暮らせてます。家事好きで用意周到主婦の自分を褒めたいよ。ふふふ。(自画自賛)

時間に余裕のある働き方をしたいと思って実行に移していたから、こんな状況下、それが吉と出たなと。

 

お隣イギリスではトイレットペーパーや食料品の買い占めが酷いらしいですが、パリのスーパーには何でも揃っている。普段の仕事ぶりにはイラっとさせられたりするけれど、非常事態時のフランス人の節度のあるところは本当すごいな〜と思う。ワインの棚が売り切れ寸前ってのが国民性が垣間見れて面白い。負けじと我が家もミラクルさんが、「今飲まないでいつ飲むの?」と言いながら、カーヴのワインをどんどん開けて飲ませてくれます。気付けばもう残り数本となりました。(汗)

散歩も許されないなか、家でストレッチ体操してるけど、普段通り食べたり飲んだりしてるから気を付けないといけないな…と思いつつ、毎日ダラダラと好きな事だけしています。(ま、いつもだけど)身体に支障無く健康で、家に故障しているものもない。ガチで戦時下のアンネ・フランクの生活と比べたら、天国ですよね。

 

真面目におうちで過ごしていて、色々なコロナ情報を聞いてもピンと来なかったけれど、イタリアの医療崩壊で若者優先、真先に高齢者が見捨てられ亡くなっていると知り、改めて事の重大さを実感した。救えない患者を前に目を伏せて目の前のやるべき事をしている医療従事者の方々の苦労を思うと、医療機関をパンクさせない為には家で過ごす事が今は一番の助けだと。スーパーや配達などで毎日働いてくれている方々や医療従事者の方々に向けて、フランスでは毎晩20時にバルコニーに出て拍手して感謝の意を贈っている。本当にありがたい事です。

 

外出禁止令前日までマスクをつけている方が疎まれていたのに、次の日は逆にマスクをつけていない方が責められる。マスクをつける文化がない頑固なフランス人が一日でコロッと変わった事が衝撃だった。恐るべしコロナウイルス。昨日まで普通に買い物してたのに今日はマスクをせずに中華スーパーに行った事が急に怖くなるなんて自分でも滑稽だ。

 

一日で世界はコロっと変わる。良く変わるのには時間を要するのに、悪く変わるのはあっという間だ。常識もすぐに覆される。信じられるのは自分だけ。

 

パリに暮らして15年、SARSやテロや天災、デモ&スト、そして今回のコロナウイルス。色々な困難に遭遇してきたけど、いつも経済的にも精神的にも大きなダメージは無く、ミラクルさんにもフランス政府にも守られてきた。幸い家にいる時間が多い生活をさせて貰っていて、子供もいないので責任も少ない。

そんな私が言うのも何ですが、今回のパンデミックは、働き方だったり、毎日の生活を見直す良い機会なのではないかと。強制的ではあるけれど自由時間を与えられて、自分と向き合ったり、普段出来ない事、したかった事をしてみたり、何にもしないってのも良いかも。

世界が急に一変するのだから、これからは思いたったらすぐに行きたい所に行く。やりたい事をやる。これ大事。

政治的には、政府がどれだけ早くアクションに移せるかが試され、ベイシックインカム制度の練習にもなり得るのではないかと。

まだそれほど危機を感じていない人達に有名人が自分の死をもって重大さを教えてくれている気がする。

経済、お金も大事だけど、今はまず人命ファースト。

 

おうちでどれだけ楽しく過ごせるか。

それは私の得意技。

コロナめ、早くうせやがれ〜!(口悪っ)

さっ、次はどの映画を観ようかな。